トリノ・エジプト展


今年の日本的エジプトブーム、海のエジプト展に続く、第2弾。
宮城県美術館で絶賛開催中の、トリノ・エジプト展に行ってきました。


平日の午後なのに、結構人がいた! 基本、年配の方メインだけど。



実は、古代エジプトって古代ローマほどには興味なかったんですが(←egy-ptianのくせに)
ローマよりもさらに1000〜2000年前で、あの文化水準、頭を下げるしかない感じです。
簡単に1000とか、2000とか書くけど、日本の「歴史」って2000年ないんだぜ? (文字情報が残る文明という意味で)
2000年前の古代ローマの、さらに2000年前とか、、、


目玉の展示物、アメン神とツタンカーメン王の像とか、さすがのインパクトだけど、
個人的に最も印象に残ったのは2つ。
約4000年前の「ほうき」と、書記の練習用のパピルス


まずほうきは、柄がない、屈んで使う、という違いはあるものの、
もう、何の変わったこともない、普通のほうきなの。(→リンク先画像あり
でも、これって本当に不思議で、掃除機が発明されるまで、柄ができる以外、ほうきに何の進歩もなかったということ。
今までで一番、古代人が俺たちと同じ人間なんだって、実感できた遺物だった。


あと、書記(ヒエログリフが書けたエリート官僚)の練習用パピルス
象形文字ヒエログリフ)って、凄い「絵」的な実用性に欠ける文字、っていう印象が俺にはあったんだけど、
略式のヒエラティックで書かれていたため、普通の「文字」で書かれた文章だった。
あ、これって文字、文章なんだ、と普通に納得できるクオリティ。日本人的にアラビア文字より文字らしいかも。


上の2つとも、結論としては同じで、4000年たっても、人間の文明ってそんなに変わらないな、って思ったことなんです。
古代文明が凄い、っていう語りをするときは、往々にして上から目線で、
「何千年も昔のくせに、思ったよりは高い文明だったんだな」みたいな感じになりがちなんですが、
むしろ古代文明を勉強すればするほど、文明の「高さ」よりも「同じさ」に興味を持つようになる気がします。


いや、古代文明を勉強した、なんて偉そうに言えるレベルでは全然ないんですけど。
しかし今の時代は生涯学習。定年後に気軽に海外旅行に行けるときには、
自力でカイロ博物館や、ルーブル美術館大英博物館、そしてトリノ・エジプト博物館を満喫できる人間になっていたい。


そんな、40年?後の夢物語。






ところで、宮城県美術館の常設展がイマイチ、全くパッとしなかったんだけど、
これは俺がモダンアートに興味がないからという、ただそれだけなのだろうか。
それとも、やはり一地方都市の美術館では、あれが限界?


そう考えると、東京に住むってのは、色々と楽しみではあるよね。