機動戦士ガンダムUC、最近出た6巻まで読了。



亡国のイージス終戦のローレライ等で有名な福井晴敏によるガンダム小説。
ときは宇宙世紀0096、一年戦争生まれのバナージ・リンクスオードリー・バーン
この2人とユニコーンガンダム、そして宇宙世紀の秘密「ラプラスの箱」を巡る物語。
キャッチフレーズは「大人のためのガンダム」、だったハズ。


最初はミネバ様萌えで読んでたんだけど、ぶっちゃけ最初以外出番少ない(苦笑)
しかし5, 6巻くらいになって、やっと作品の輪郭が見えてきて、面白くなってきた。


この主人公、オードリーオードリー言ってた頃はずいぶんとヒーローっぽかった気がしたが、
今ではすっかり、ガンダムらしいひねくれたガキ。いわゆる中二病
で、そんなガキの成長物語という意味では普通にUCガンダムなんだけどさ、
著者の視点は、むしろその周囲にいる大人に向けられてるんだよね。


オヤジたちは偉そうに中二病の主人公(バナージ)に説教しながらも、
バナージの真っ直ぐな主張に、自分の人生見つめ直す。
大人が思考停止している「責任」「義務」「立場」「正義」みたいなことを改めて考える。
そして、そんなオヤジたちの「人間」らしさに触れて、バナージは成長する。その繰り返し。


だからオヤジたちに人間味があって、魅力的なんですよね。
カーディアス・ビスト、ギルボア、ダグサ、ジンネマン、、、
主人公は連邦とネオ・ジオンを行ったり来たりで、居所が全く落ち着かないんですが、
それは色んなオヤジたちの、色んな思想に、考えに、人間に、触れさせるためなんだろう。


逆にシャアポジションであるはずのフル・フロンタルは、「謎の人物」という感が先行して、
人間的な魅力を感じない、無機質なキャラクターに仕上がってしまっていると思う。
ぶっちゃけ、印象としても、キャラの立ち具合にしても、どうにも弱い。
物語は佳境に差し掛かっているらしいが、現状、バナージのライバルにはマリーダもリディもいる。
ラスボスはフル・フロンタルだとは思うけど、それまでに存在感を増せるかどうか。




まぁ、本当の問題はどんどんミネバ様の存在感が薄くなっていることに尽きると思うんですけどね!
このままだとリディ×ミネバでおさまっちまいそうだぜ、マジで。