クロニクル①上下


終わりのクロニクル 1(上) 電撃文庫 AHEADシリーズ

終わりのクロニクル 1(上) 電撃文庫 AHEADシリーズ

 


ずいぶん昔にusagimaniaさんにオススメを頂いた、川上稔の作品。
本命の「都市シリーズ」は見つからないので、新作の「AHEADシリーズ」を。


ジャンルとしては、ファンタジー+伝奇、舞台は現代で、隠し味にSF風味、ってところ。
第1巻を上下分冊にして、合計ページ数が800を超えるという、
本屋の棚、ライトノベルコーナーで、異常な存在感を示す作品です。長すぎ、厚すぎ。



感想としては、Bマイナスって所。明確な基準があるわけじゃないけど。
つまらないと、一言で切り捨てられるほど、つまらない作品ではないけれど、
俺的には、名作、傑作と言えるものでもないかな。


ただ、この中途半端な評価になる原因は、俺の方にある気もするんですよね。
ひとつのストーリーの中で、情報量が多すぎて、俺が処理しきれず、
なんつーか、よく分からないまま、中途半端な読後感で終わってしまったんですよ。


つまり、キャラ多すぎ、伏線多すぎ、設定多すぎ、ドラマ多すぎ、
そして、それを並列、並行して進めていくもんだから、こっちの理解が追いつかない。


しかも、困ったことに、この人の地の文が、非常に読みにくい。
「カッコいい」文章を駆使するんですよね。文章力がないのではなく、ありすぎる、みたいな?
もともと俺は、小説を斜め読みする人なので、
ただでさえ地の文が多いのは苦手な、ラノベ専用読者なんですが、
この本は、本当に読みにくく、しかも、読み飛ばし気味になってしまった気がする。


文章が読みにくいせいで、ますます、内容が処理しきれなくなる、と。



キャラにしても、個々のエピソードにしても、設定・世界観にしても、悪くない、
特に世界観は、この作者、相当力入れて組んでると感じるし。


もし俺だったら、同時並行的に進んでいく展開を、順番組みなおして、
一つ一つの展開を、順々にこなしていく、っていう形にしたと思う。
そうすれば、第1巻で上下分冊800ページ、なんていう掟破りなことにならないし、
もっとスッキリとして、スマートな小説になるのに、って感じ。


まぁ、創作能力のない人間の戯言ですが。



とりあえず、続きが気になるのも事実なので、もう一回流し読みして、
その後で続きを買ってきたいと思います。その前に春休みが終わってしまいそうな悪寒ですが。